今は急性期の病院で働いているけど、慢性期の病院に転職しようか悩んでいる。
なんとなく、慢性期の方が緩やかに働けそうだけど、実際どうなんだろう?
慢性期への転職に興味があるけど、いまいち転職後の姿が分からず悩んでいるあなた!
この記事を読むことで、急性期と慢性期の違いを知ることができます。
新卒で3次救急の急性期病院に勤めたのち、慢性期病院に転職しました!
実際に急性期から慢性期に転職した筆者の体験談を知ることで、より具体的な慢性期に転職した時のビジョンを知ることができます!
急性期の病院で5年働いて転職しました!
そもそも急性期と慢性期ってどう違うの?
定義
平均入院日数
急性期…14,1日
慢性期…250,5日
平均値ではありますが、慢性期は急性期に比べて10倍以上も在院日数が長いです!
そしてこの日数の違いが、大きな違いを生んでくることとなります。
急性期から慢性期に転職して感じたこと7選!!
① 思っていたよりも忙しい
ゆっくりと患者さんとお話をし、時間が余ったし、ちょっと休憩でも♪
みたいなゆったりとした時間な流れだと思っていたのですが、座る間もないぐらいに忙しかったです。
あれ、もっとゆっくりした感じだと思っていたんだけど…
患者さん:看護師の割合が急性期は7:1ですが、慢性期は10:1なので、受け持たなくてはならない患者さんの人数が増えます。
確かに急性期のように、毎日のように手術や検査があって、イベントが盛りだくさんというわけではないのですが、寝たきりでオムツ交換が必要だったり、経管栄養だったりとやることが結構ありました。
そして、思った以上に点滴をしている患者さんも多かったです。
毎週2回のお風呂の日もなかなか大変で、汗だくですし、ほんと体力勝負といった感じでした。
夜勤も患者さんの人数は約50人と変わらないのに、看護師の人数は4→3人へ減少。
ほとんど寝たきりの患者さんであったため、オムツ交換に1時間半、経管栄養をつなぐのに40分以上かかりました。
夜勤も疲れすぎて倒れそうでした。
急性期のように、採血10人といった鬼のような採血祭りはありませんでしたが、やはり採血はあるわけで。
食事介助も1人で2,3人の患者さんを行っていました。
急性期の時より、日勤の残業は減りましたが、合計で月に10時間以上は残業をしていたと思います。
どのくらい忙しい病院なのかは、病院ごとに異なると思います。
私の働いた慢性期の病院は、自分の想像以上に体力的に大変でした。
② 情報収集が楽
慢性期は患者さんの入退院は少ないので、一から情報収集をする患者さんは少ないです。
最近の出来事や重要なことに目を通すだけで情報収集が終わります。
また、状態変化がない場合は、変化がないゆえに看護記録が全然書かれてない患者さんも多数おられました。
急性期時代は、毎勤務ごと全患者さんの記録を書いていたので、記録なしでもいいことに始めは戸惑いました。
記録なしってありなのか!
急性期では、2日の休みが終わったら、半分くらい患者さんが変わっていたなんてことはザラですよね。
新規の患者さんが多い分、どんな疾患の方なのか、なんで入院してきたのか、、取らなくてはならない情報は増えます。
夜勤前も1時間前に出勤して、情報収集のために時間を費やす日々を送っておりました。
慢性期ももちろん情報収集は大切なのですが、患者さんが変わらない分、情報収集をすることが楽になりました。
③ 退院支援は看護師の腕が問われる
看護師がかなり退院に向けアプローチしていかないと退院に進んでいきません。おそらく、どの看護師が受け持ちかで、患者さんの退院できる早さは違うと思います。
急性期はパスの入院であったり、入院日数に制限があるため、はっきりいって看護師があまり関与しなくとも退院が決まっていきました。
自分がやったのって、看護サマリー書くくらいかも…
退院させるためにそこまで何かを頑張った記憶があまりありません。
しかし慢性期は、退院に向けて看護師がいかに患者・家族に働きかけ、他職種と連携をとるか。
これが非常に大切でした。
・患者さんの行き先はどこになりそうなのか(施設なのか自宅なのか)
・必要な社会資源は何か、いつ頃導入できそうなのか
・退院するために必要な訓練や指導は何か
・退院に必要なことを他スタッフにも協力してもらうために周知
などなど、看護師が主体で動くことが退院の鍵でした。
患者さんが退院するために頑張って看護していくことが好きな人にとっては、とてもやりがいを感じられることだと思います。
自分が頑張って看護していた患者さんが退院するのは、とっても嬉しいことです。
しかし、逆に面倒に感じてしまう人にとっては、結構しんどいことなのかなと思います。
④ 患者さんと長い時間関われる
退院するまでの時間が長いため、同じ患者さんと長く関わることができます。
関わっていくうちに、患者さんの好きなもの、大切にしているもの、生き方、さまざまなものが見えてきます。
その中で、少しずつ生まれていく信頼関係。
患者さんが自分を信頼してくれていると感じた時、看護師をやっていてよかったなと感じました。
そして、患者さんだけでなく、家族の方とも徐々に関係性を結んでいくことができます。
「みぃさんをお願いします。」と言われると嬉しかったです。
より多くの人と信頼関係を結び、心に寄り添うことが好きな人が慢性期の看護師に向いていると思います。
急性期はあっという間に退院してしまうため、患者さんとここまでの関係を築くのは難しいことでした。
急性期は、休みが明けたらいなくなってる患者さんがたくさん!
しかし、裏を返せば、慢性期は自分と相性の合わない患者さんとも長く付き合わなくてはなりません。そう考えると、急性期の回転率の早さも一概に悪いとは言えないのかなと思いました。
患者さんと長く関われることは、信頼関係を結べる素晴らしい面があります。
一方で、苦手な患者さんとも長く付き合う根性も必要となってきます。
⑤ 急性期の知識を活かしきれない
今、このブログを読んでくださっているあなたは、何科で働いていますか?
きっと急性期でいろんなことを学ばれているのではないかと思います。
慢性期でも、絶対的に急性期での今の知識は役に立ちます。
しかし、活かしきることは難しいかもしれません。
実は、私もそうでした。私は、慢性期の病院に行く前は、CCUと循環器と心臓血管外科の一般病棟で働いていました。
IABP、CHDF、テンポラリー、カテーテル検査などいろんなことを学びました。
夜も睡眠を削りながら勉強していました。
慢性期の病院に行っても、心電図や呼吸器、CVなどはあったので、急性期で学んできた知識を活かすことはできました。
しかし、慢性期の病院でできることには限りがあります。
慢性期病院には、私が学んできたIABPやCHDF、カテーテル治療、手術などはできないため、必要となれば急性期の病院に転院となります。
“私はもっとできるのに、今までやってきたことはここでは使われない” 自分が今まで頑張ってきたことを十分に発揮できないような歯痒さがありました。
そして、新しい科の疾患の知識などは付きますが、医療・看護技術として新しく学ぶことはあまりありませんでした。
自分の今の知識を存分に発揮したい、新しいことをもっともっと学びたいと思っている方は、慢性期に行くことを一度検討し直した方が良いかもしれません。
⑥ ルーティーンワーク
入退院、検査などイベントはありますが、基本的に患者さんは変わらないのでルーティーンワークになります。
8:30 申し送り
9:00 必要な人に浣腸・座薬を使用
バイタル測定・オムツ交換
11:00 経管栄養
12:00 食事介助
14:00 カンファレンス
15:00 オムツ交換
16:00 経管栄養
入退院、レントゲン・CT、各種交換物の介助、ICなどがイベントとして入る
週2回の入浴介助もある
私のいた慢性期の病院では、このような日勤の流れで動いていました。
刺激の無いように感じる方、同じことをしている方が良い方、感じ方はさまざまなのかなと思います。
慢性期は急性期ほどスケジュールを立てることは大変ではないと思いますが、その中でも優先順位を考えて行動する必要はあります。急性期・慢性期、どちらの1日の流れが自分に合っているのかよく考えてみましょう。
⑦ 設備が急性期ほど充実していない
これも、転職した病院によるところだとは思いますが、急性期ほど設備が充実していないことが多いです。
例えば…
・酸素配管が全てのベッドサイドにない
・消毒して使い回すものが多い(経管栄養の物品、吸引瓶、吸引チューブは1日1本など)
・夜間は検査科や薬剤科がいない
・検体を運ぶシューターがない
・今まで使用していた物品がない(心電図の電極をとるリムーバー、Vステプティなど)
設備とは違うかもしれませんが、感染管理も結構ゆるゆるなところも多く、当初は驚きました。
物品が少ないため、感染患者さんの使ったバイタルグッツも使い回すしかないなどです。
今までが厳しかった分、ギャップが…
もしかしたら、今までの急性期病院と比較するとさまざまなギャップに衝撃を受けるかもしれません。
しかし、慢性期の病院にはそこのルールがあるため、自分が順応していくことも時には大切です。
角が立たないように、今まで学んできたより良い知識を提供できたら一番いいですが、なかなか難しいところもありますよね。
今までの設備や感覚とは、少し違うかもしれないことを頭に入れておくと良いのかな、と思います。
慢性期看護師に向いている人
患者さんに寄り添うことが好きな人
だと思います!
患者さんと一緒に過ごせる時間が急性期よりも多いため、患者さんが何を考え、どうしたいのか、一緒に考えていきたい人。
また、コミュニケーションをとることが好きな人が向いていると私は思います。
私は、患者さんとコミュニケーションとるの好きですね。
患者さんに癒されることも多いです。
急性期は疾患にどうしても目が行きがちですが、慢性期は患者さんの人柄を大切にした看護を展開していくイメージです。
患者さんとの信頼関係を大切にして、患者さん自身に寄り添った看護をしてみたい方は、ぜひ慢性期の看護に挑戦してみてください。
まとめ
急性期から慢性期に転職して分かったことは
・思ったよりも忙しい
・情報収集が楽
・退院支援は看護師の手腕が問われる
・患者さんと長い時間関われる
・急性期の知識を活かしきれない場合もある
・ルーティーンワークである
・設備が急性期ほど充実していないかもしれない
の7点です!
そして、慢性期には患者さんに寄り添う看護をしていきたい人が向いていると思います。
今回ご紹介した慢性期病院の特徴は、私が実体験したものになります。
世の中にはもっと違った慢性期病院がたくさんあるので、あなたに合う病院がきっとあります。
もしかしたら慢性期ではなく、訪問看護やクリニックの方が合っているのかもしれません。
情報を収集知っていることは、転職先を決める上で非常大切です。
ぜひ私のブログで情報を得て行ってください。
そして、転職サイトからより具体的な情報を得ていきましょう!
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!
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